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2020年
日本
2019年に公開された監督作『愛がなんだ』が、若い女性から絶大な支持を受けた今泉力哉監督。恋愛映画の旗手として揺るぎないポジションを確立し、群像劇『アイネクライネナハトムジーク』や、コメディードラマ「時効警察はじめました」など、新境地へ精力的に挑んでいる。そんな今泉監督の新作映画は、かつて恋人同士だった男性二人の、8年ぶりの再会から物語がスタートする。迅を演じるのは宮沢氷魚。連続ドラマ「偽装不倫」で杏の相手役を演じ、センセーションを巻き起こした宮沢が、持ち前の繊細さと品性を最大限に活かし、静かに葛藤する主人公を体現する。迅を振り回す渚に扮したのは、『ケンとカズ』や『すじぼり』といったエッジの立った作品で爪痕を残してきた藤原季節。俳優としてのタイプは異なるが、演じることへの真摯さを共有する彼らは、自分たちの大切なもののために勇気を出して立ち上がる迅と渚を演じきった。
企画・脚本は、放送作家としてそのキャリアをスタートさせ、近年はドラマや映画の脚本を多く手掛けているアサダアツシ。20数年前に仕事仲間からかけられた「自分たちゲイが高校時代に見たかった、『恋愛っていいな』と思えるドラマをいつか書いてよ」という言葉を出発点に企画を立案。友情が愛情へと変化していくなかで自身のセクシャリティに揺れ動く二人の男子高校生・迅と渚を描いた連続ドラマ「his ~恋するつもりなんてなかった~」を前日譚に、映画では大人になった彼らが周囲と関わりながら自分たちの生き方を模索していくストーリーを紡いでいる。
本作では、8年ぶりに突然娘を連れて現れた渚を迅がどう受け入れるのかという恋愛ストーリーに加え、LGBTQの人々と古くから根付いている共同体の共存への希望、親権を争う法廷劇、変化しつつある家族の形、そしてシングルマザーが直面する過酷な現状なども描かれる。一方で本作には、LGBTQ作品につきものの、偏見と無知にまみれた悪役が登場しない。LGBTQ(マイノリティ)VS社会(マジョリティ)ではなく、すべての人が社会の一員としてフラットに描かれる。マイノリティだからと何かを諦めて生きてきた迅と渚が、そして彼らに関わった人たちが、それぞれに境界線を越えていく人間ドラマである。
エピソード全1話
作品紹介
2019年に公開された監督作『愛がなんだ』が、若い女性から絶大な支持を受けた今泉力哉監督。恋愛映画の旗手として揺るぎないポジションを確立し、群像劇『アイネクライネナハトムジーク』や、コメディードラマ「時効警察はじめました」など、新境地へ精力的に挑んでいる。そんな今泉監督の新作映画は、かつて恋人同士だった男性二人の、8年ぶりの再会から物語がスタートする。迅を演じるのは宮沢氷魚。連続ドラマ「偽装不倫」で杏の相手役を演じ、センセーションを巻き起こした宮沢が、持ち前の繊細さと品性を最大限に活かし、静かに葛藤する主人公を体現する。迅を振り回す渚に扮したのは、『ケンとカズ』や『すじぼり』といったエッジの立った作品で爪痕を残してきた藤原季節。俳優としてのタイプは異なるが、演じることへの真摯さを共有する彼らは、自分たちの大切なもののために勇気を出して立ち上がる迅と渚を演じきった。
企画・脚本は、放送作家としてそのキャリアをスタートさせ、近年はドラマや映画の脚本を多く手掛けているアサダアツシ。20数年前に仕事仲間からかけられた「自分たちゲイが高校時代に見たかった、『恋愛っていいな』と思えるドラマをいつか書いてよ」という言葉を出発点に企画を立案。友情が愛情へと変化していくなかで自身のセクシャリティに揺れ動く二人の男子高校生・迅と渚を描いた連続ドラマ「his ~恋するつもりなんてなかった~」を前日譚に、映画では大人になった彼らが周囲と関わりながら自分たちの生き方を模索していくストーリーを紡いでいる。
本作では、8年ぶりに突然娘を連れて現れた渚を迅がどう受け入れるのかという恋愛ストーリーに加え、LGBTQの人々と古くから根付いている共同体の共存への希望、親権を争う法廷劇、変化しつつある家族の形、そしてシングルマザーが直面する過酷な現状なども描かれる。一方で本作には、LGBTQ作品につきものの、偏見と無知にまみれた悪役が登場しない。LGBTQ(マイノリティ)VS社会(マジョリティ)ではなく、すべての人が社会の一員としてフラットに描かれる。マイノリティだからと何かを諦めて生きてきた迅と渚が、そして彼らに関わった人たちが、それぞれに境界線を越えていく人間ドラマである。
スタッフ
監督: 今泉力哉
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