私を描いて

映画『桐島、部活やめるってよ』や『幕が上がる』などの脚本を担当し、舞台演出や俳優としても活躍する喜安浩平が監督・脚本を手掛けた青春奇譚。自己表現の獰猛さをテーマに、実写と漫画の融合を目指した意欲作。漫画家志望の女子高生・江戸川こよりは、学校関係者をモチーフとした自身の作品が他者を傷つけたと問題視され、活動の自粛を余儀なくされる。しかし、一人の同級生の賛辞に突き動かされ、好奇心を抑えられなくなっていく。テニス部のキャプテンで成績優秀、容姿端麗。”完璧”な同級生・朝井桐子が「私を描いて」と語る真意とは。やがてこよりは真実“らしきもの”に辿り着き、そこに、桐子の孤独を目撃する。
本作は映像クリエイター支援プロジェクト「講談社シネマクリエイターズラボ」第1期受賞企画。国内外応募総数1103企画から優秀賞に選出をされ、国内のみならず、アメリカ、台湾、英国、インドなど各国の映画祭で入選を果たした。誰かの評価に息苦しさを感じる10代のあやうい心の動きが19分の短い尺でありありと描かれる、表現者・喜安浩平の新たな代表作。